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井江端重伸の個人的ブログ。食べ歩き・旅行記・子育て・写真等々

「真田丸」にもつながる、三谷幸喜流時代劇、「清洲会議」

   

「真田丸」と「清洲会議」

今年の大河ドラマ「真田丸」が面白い。昨年の反動もあるんだろうけど、全体的に評価は高いようだ。コメディっぽい掛け合いも多いので重厚な大河ドラマを望む人にとっては軽いと思われるかもしれないが、そこは三谷脚本が合うか合わないかって話なんだろうと思う。

それにしても、放送開始当初の武田信玄の死から、本能寺の変、その後の秀吉の台頭までの端折りっぷりはすごかった。実際の時系列でみると、武田滅亡から本能寺の変までは3ヶ月足らずの出来事だから、劇中のすっとばしっぷりは正しい描写ではある。その後の混乱も、真田勢の視点からみると、信長死後の中央の混乱なんかは遠い世界の出来事だったろうから、秀吉の台頭も細かく描く必要ない。とはいえ、三谷幸喜が描くとどんな風になるのかを期待していた人もいるかもしれないが、信長死後の中央の混乱は既に過去の作品で描かれている。

それが2013年公開の映画、「清洲会議」だ。「真田丸」に登場する俳優も多く出演している。印象としては「真田丸」同様、三谷幸喜の作風が合うか合わないかで大きく評価が分かれる作品だと感じる。

予備知識はあることが前提

「真田丸」にも共通するところではあるが、本作を見る人は、ある程度予習しているであろう事を前提に作品を作っていたように思う。そのため、人によっては非常に不親切と感じるところが多くある。
例えば、劇中、柴田勝家は権六、前田利家は犬千代等々、登場人物は多くの場面で通称、幼名で呼び合っている。武将名しか知らない、しかも清須会議についての予備知識が殆ど無い人にとっては誰が誰だか分からず、かなり混乱するだろう。

秀吉と利家の関係等、前提を知っていないと「なんで?」となる展開も多い。

「清須会議」は時代劇か、三谷幸喜作品か

先の見えない展開や大番狂わせも起こらないので、そんな三谷作品を期待していった人は少々がっかりする展開かもしれない。かと言って、本格的な時代劇期待して観に行った人にとっては、忍者の描写や旗取り合戦等、突飛な展開が要所でありますのでリアリティを感じることができない。
と、書くとなんとも中途半端な印象を受けるかもしれないが、僕はこれこそが三谷幸喜の挑戦だったのではないかと思う。

三谷流の偉人の解釈・人間ドラマを楽しむ作品

「真田丸」にもつながる、三谷幸喜流時代劇、「清洲会議」
時代劇、特に有名な出来事を扱った作品は、多くの人が途中経過はもちろん結論まで知っていることが前提だ。予定調和の流れをどう盛り上げるのかも時代劇の評価に関わってくる。本作の場合、着地点に至るまでの人間ドラマと、勝家・秀吉等の偉人のキャラ設定を楽しめれば、本作の評価はかなり高いものとなるはずだ。

特に勝家、秀吉という偉人の間で揺れ動く、丹羽長秀と池田恒興の右往左往振り。その他の登場人物も全てがとても人間臭く描写され、予定調和や必然ではなく、人間の葛藤と決断がしっかり描かれれている。それが悲壮感漂うものではなく三谷さんらしく、さっぱりとコミカルに描かれているのが本作の特徴だ。

細かい事は気にせずに、そんな人間ドラマを楽しめれば、本作はとても楽しめる作品になるだろう。偉人だって人間だもの、迷いもすれば葛藤もする。そんな姿に共感できるはずだ。

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